クラフトのユニバーサルデザイン。公共トイレ、公園・景観施設の設計。

HOME > 納入実績 > 対談・掲載記事 > 東北文化友の会会報まんだらvol.29『やまがたレトロ館を取り巻く活動』3/3
対談・掲載記事

山形県に初めて鉄筋コンクリートの建物ができたのは、おそらく大正末期だと思われる。また、初代県令三島通庸によって明治初期に木造の擬洋風建築がもたらされ、大火で消失したとは言え、その影響で洋風建築も多い。蔵が多いのは言うまでもない。これらが今、耐震構造、素材の劣化、都市計画、遺産相続問題、所有者の高齢化等々によって存続が危ぶまれている。取り組むべき課題は多いが、市民、行政といった立場にかかわらず皆が考え、取り組むべきものと考える。何よりこれらは個人を超えた地域全体の資産であり、地域景観に深みと知性を与える付加価値の高いものなのであるから。また、歴史的建造物はその町の生き証人であるが故に、その場所にそのまま存続することが望ましい。そして建物単体が残ればいいというものでもなく、周辺空間がさらに景観の質を高める。そうした空間を有する町は、誰からも愛されるに違いない。
先日新庄のまちを探訪した折り、雪の町でかつて民俗学の高いレベルの討議が行われたことを知った。昔、学生の頃学んだことが自分の身近で実践されていたことに気づき、「これからでも遅くはない、市民皆が考え質の高い地域づくりをしていかなければならない」と、心を新たにしたのである。私達の活動をペン画で彩ってくれた父は、県内の古い建物約350点を描き、昨年他界した。これらの財産をいかしながら、また新たな活動をして行きたいと思う。